子どもたちへMIEちゃんに聞いてみよう
MIEちゃんの手紙を見る
- 学校
学校に行きたくない
MIEちゃんへ私は小学校2年生です。私は学校に、行きたくありません。なので、今日休みました。それでおばあちゃんとおじいちゃんの家へ行きました。それで、テレビを見ていたら、おじいちゃんに、「自由にしてたら、駄目、小学校でみんな頑張ってるんだから」と言ってきました。私は(別に、自由じゃないのに。)と思いました。私は、外に出て泣きました。 MIEちゃんどうしたらこの気持ちおじいちゃんに、伝えられるでしょうか?
MIEちゃんより
こんにちは。
おじいちゃんの言葉にあなたが傷(きず)つき、悲(かな)しい気持ちになったことを伝えてくれてありがとう。
おじいちゃん世代の人たちにとっては、学校は忌引(きびき)や病気、大きなけがをしない限りは行くところだと教えられてきましたし、当然行くものだと思って子ども時代を過ごしてきたと思います。
あたりまえのように学校へ行くべきと思っているおじいちゃんは、あなたが学校をサボって好き勝手(かって)なことをしているように見えたのだと思います。私も、小学生の頃、学校へ行きたくなくて休みたいと思っても、それだけの理由では休ませてもらえないのでおなかが痛いと嘘をついて休み、その嘘がばれないかと放課後の時間になるまでドキドキして、少しも気持ちが休まらなかった覚えがあります。
今の学校は、子どもに行くという義務(ぎむ)があるというのではなく、保護者(ほごしゃ)に子どもが学校へ行けるような環境にするという義務があります。だから、あなたが学校へ行くことで苦(くる)しいとき、つらいとき、悲(かな)しいときなどは、無理(むり)をせずそのことを学校へ伝えて休むことができます。しかし、おじいちゃんのように子どもの権利を知らない保護者や先生もいるのが現実ですから、学校を休んで何をするかはあなたの自由なのに自由とは言えないことが残念でなりません。この日も、おじいちゃんの家でテレビを見るしかなかったのに、心無いおじいちゃんの言葉に涙が出たのではないかと思います。無理におじいちゃんにわかってもらおうと思うと苦しくなるので、話したいと思う時期が来るまで待ってもよいと思います。
(別に、自由じゃないのに)とあなたが書いたように、学校を休んでいたとしても、学校へ行かなければいけないというプレッシャーがあり、その気持ちを誰も分ってくれず心はしばられたままで、自由ではありません。あなたは、学校へ行かないという選択が自由にでき、心を休ませることができる権利があります。ただ、自由というのは、自分の意思で選び、自分で選んだことでおこる良いことや、学校を休んだことで起こる友だちをつくる機会(きかい)が少なくなったり、勉強がわからなくなったりすることなど、休んだことでおこる悪いことも自分で引き受けなければなりません。
でも、今は何も考えず、休むことも必要だと思います。
あなたが、おじいちゃんのことで話したいとき、また、先生やお友だち、勉強のこと、おうちのことなど、何か心配(しんぱい)なときは、チャイルドライン(0120-99-7777) にかけてください。どんなことでも聴いてくれるところです。また、学校は安心して学べるところではないといけないので、話を聴(き)いてもらいながら、教育(きょういく)委員会(いいんかい)や児童(じどう)相談所(そうだんじょ)などの関係(かんけい)機関(きかん)につなぐほっとダイヤル(0800-200-2555)もあります。周りの大人があなたと一緒(いっしょ)に考えることはとても大切なことです。
子どもの権利条約
・子どもの権利条約第3条「子どものもともよいことを」
子どもの関係のあることを行うときには、子どもにもっともよいことは何かを第一に考えなければなりません。
・子ども権利条約第6条「生きる権利・育つ権利」
すべての子どもは、生きる権利をもっています。国はその権利を守るために、できるかぎりのことをしなければなりません。
・子ども権利条約第12条「意見を表す権利」
子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子ども発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。
・子ども権利条約第28条「教育を受ける権利」
子どもに教育を受ける権利があります。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときは、みんなにそのチャンスがあたえられなければなりません。学校のきまりは、人はだれでも人間として大切にされるという考え方からはずれるものであってはなりません。
・子どもの権利条約29条「教育の目的」
教育は、こどものもっているよいところをどんどんのばしていくためのものです。教育に同じように大切にされるということや、みんなとなかよくすること、みんなの生きている地球の自然の大切さなどを学べるようにしなければなりません。
・子どもの権利条約第31条「休み、遊ぶ権利」
子どもは、休んだり、遊んだり、文化・芸術活動に参加する権利があります。