2024年度 年次報告(2024年4月1日~2025年3月31日)

2024年度 年次報告 
「はじめに」より

 「そう思っているのね」と、子どもの話に心を寄り添わせることも、「どうしたいの?」と、たった一言なのにこの一言を子どもにきくことも、何故か大人は難しいようです。
―子どもにも気持や考えていることがあるのです。赤ちゃんだって泣いてうったえてきます―
だから子どもは結果、自分の意志に関係なく大人(親)の附属物のように、連れまわされることにもなるのでしょう。
私たちの関係団体が県内市町の半数ほどをお預りしているファミリーサポート事業でも、大人(親)側の子ども観に頭を痛めている状況が多々あります。学習塾から習いごとへ、そして次の習いごとへとまるで荷物を運ぶように子どもの送迎移動を依頼されます。私たちにできることはせめて送迎の15分か20分の車の中で、子どもにとって意味ある大人になることの努力です。
 なぜ子どもの気持や意志を大人(親)はきくことができないのか―。それは多分、いや確実に、自分にとって不都合な結果が予測されているからではないかと、私は穿った見方をしてしまいます。そして不都合な結果を大人(親)は受け入れる必要があるなどとも思ってもいない。なぜなら自分と子どもが対等であることなど、殆どの大人(親)は考えてみたこともない。―現実です― 又多くの人は残念ながら子どもの云い分をきいたらそのようにしなければならないと考えているようです。いわゆる世間で云われている「子どもに権利を与えると我がままになる」という思想の元。でも本当にそうなのでしょうか―。
 人は誰しも生まれながらにして当り前に人としての権利(私たちはRightsと云っています)を持っています。何ができるとかできないとかに関係のない人権です。年齢にも全く関係しない人権です。生まれたばかりの赤ちゃんにも(いいえお腹にいるときにすら)ある人権です。なぜならRightsは生まれながらにして当然あるべきもの―だからです。只、大人とこどもは立っているところが違います。故に当然見えている風景(Views)に違いが出るということになる、ということです。よって感じることや、思うことにちがいが生じてくるのは当然!とならないでしょうか。だからきいてみなきゃわかんないのです。そしてこっちの気持も話してみなきゃ相手に通じない。子どもとの関係で非常に大事な手間を省かないで欲しいのです。この手間暇をかけてもらうことで、子どもの意見表出への道は開けていくと、私は信じている人間です。そして意見表出は意見形成の出発点でもあると。
原因は様々ありますが今、子どもが育つために重要な「あそび」も「人垣」も失なわれてしまっていることだけは確かです。その上あまりにも当然な親の支配です。その総てが子どもの「個」つまり主体の確立を非常に難しくしているのではないでしょうか。主体の確立が弱いと長じて責任という概念を理解しにくい人格に育っていくのだと自分の周りを見回したとき、実感があります。次の世代を担う子どもたちの育ちに、今大人を生きている私たちは責任を問われていると思っています。ということは目下、子どもを生きているその子たちが社会人になったとき自己実現できるために、私たち大人(親)は子どもが子どもでいられる子ども時代を保障していくことがとても大事になる、ということなのだと思います。子ども時代は、大人になるための準備期間ではないのですから。
 私たちアドボケイトの第一義的な役割は、子どもの気持や意志意見を代弁することではなく、あくまでも子ども自身が意見表明できるように支援をすること。子どもが自分の人生の主役になれる様に自己確立をしていくプロセスでの伴走者になる。ということなのだと改めて又学んでいます。
 ミッションの具現化が現場のあり方だと考えているチャイルドヘルプラインMIEネットワークとしては、アドボカシーの学びを主体的に得て、事業の内容をいかように充実させていくか―かかわる人たちの力量とも合わせて課題をふくらませることになりそうです。

  私が初めて意見形成支援のことを文字化したのは2年前の年次報告書でした。具現化する方法として受け手が鏡になる。つまり子どもの言葉のフィードバックはそういうことだよねと、そしてそれは子どもとの話のやりとりのどういう状況を指すのかなど、いっぱいみんなで話し合いを重ねてきた記憶がチャイルドヘルプラインの受け手支え手の方にはあると思います。
 アドボケイトという文字が目に入った頃から、自分たちはア ドボケイトに他ならないと自負しながら、そして自負しきれない気持ちも同時に抱えながらアドボケイトになっていくことを目指し続けてきたと思っています。
そしてやっとアドボカシーの基礎講座開設に漕ぎ着けました。チャイルドヘルプラインMIEネットワークで取り組みたかった事業ですが事情があって、三重県子どもNPOサポートセンターでの取り組みになりました。県内と全国からの参加者を得て100人近い方々と共に学びあっているところです。
グループでの話し合いでは一回毎に変化していく参加者との出会いがあって、取り組んで本当に良かった!と感動をいただいているところです。大勢の方に広めていきたい講座です。

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2024年度子どもの声を受け止める

~子ども専用電話「チャイルドラインMIE」・「こどもほっとダイヤル」の
電話データからみえる子どもの状況~

チャイルドラインMIEの報告

 チャイルドラインは、全国69の団体がネットワークを組み実施している子ども専用電話です。三重県では毎日実施できていませんが、実施のない時間は開設している全国のチャイルドラインで受けてもらっています。2024年度全国のチャイルドラインで受けた三重県発信の電話は605件ありました。
※使用データは、チャイルドライン支援センターのデータベース(2025年3月31日までに入力完了データ)を使用しています。

チャイルドラインでは、安心して話せる電話かどうか、無言や一言の電話が続いて、やっと話し始める子どももいます。
名前や年齢・性別など受け手から聞くことはありません。会話が成立した383件をデータ化しています。

こどもほっとダイヤルの報告

 三重県では、三重県子ども条例に基づき、子ども専用電話相談『こどもほっとダイヤル』を開設しました。子どもの声を受け止め、子どもとともに状況や気持ちを整理しながら子ども主体の解決方法を考えます。専門的な対応が必要な場合は関係機関につなぐことができます。
2024年度は318件の電話を受け、児童相談センターに6件繋げました

【関係機関】県子ども・福祉部少子化対策課、同子ども虐待対策・里親制度推進監、県児童相談センター児童相談強化支援室、県教育委員会事務局子ども安全対策監、同生徒指導課、同研修企画・支援課(総合教育センター)、県環境生活部私学課、県警察本部生活安全部少年課、県女性相談支援センター、チャイルドヘルプラインMIEネットワーク