子どもたちへMIEちゃんに聞いてみよう
MIEちゃんの手紙を見る
- 家族
スマホ依存症高校一年生です
スマホ依存から離れたいです。お母さんに怒られっぱなしで、なのにやめられなくて辛いです。表層だけでスマホから離れるのでなく正常な私に回復するにはどうすればいいですか?
MIEちゃんより
メールを送ってくれてありがとう。
スマホ依存から離れたいということですが、スマホはあなただけでなく私も含めて、生活に欠かせない存在になっていますね。友だちとの連絡や情報交換、何かを調べるのも便利だし、ゲームで遊べたり、音楽を聴いたり、動画を見たり、写真を撮ったり…もっともっとあるよね。私もスマホを触っていると時間があっという間に経って、やらなければいけないことがあると自分でもマズイって思って焦ることがあります。そんな時に誰かに注意されると、わかっているわよと反発したくなったり、後で落ち込むこともあります。その時は少し反省するけど、やっぱり気になるのでスマホを手に取るとまた繰り返してしまうことがよくあります。それくらいスマホは便利で魅力的なものです。
あなたは、自分のことをスマホ依存症と思っているようですが、自分で診断したのかな?
スマホを長時間使用していても、依存症と依存は違うので依存症になると治療が必要となりますが、あなたの場合はたぶん依存なのかなと思います。
あなたが依存症と書いてくれたので調べてみました。
一時的な熱中と依存症との違いは
・とらわれ(没頭)―そのことしか頭にない
何か月、何年にもわたって没頭し、他の活動に関心がなくなる。対人関係、学業、生活をおろそかにする。仮想と現実の境目がわからない
・離脱症状
やらないとイライラや不安、気分の落ち込み、攻撃的な言動になる
・耐性―だんだんと時間が増えていく
何時間やっても満足せず、もっと過激なものを求める場合もある
・コントロール困難―やめようと思ってもやめられない
自分で時間管理ができず、ほどほどに楽しむことができなくなる
・他の活動への関心が低下
以前は関心や意欲を注いでいたことに興味ややる気を失う
・自分の現状を振り返り、ブレーキをかけることができない
嫌な現実から逃れるために更に使用が増えてしまう
などがあげられます。
スマホは身近で手軽なので、スマホ依存症と聞いても軽く思いがちですが、上記のように根深く心身に影響し、脳へのダメージは覚醒剤依存症とほぼ同じものであるそうです。
それなのに、ゲーム機やスマホを売るために、子どもを消費のターゲットにしている経済重視の社会のあり方は私たち大人の責任だと思います。
依存症と思うくらいに、スマホが使えないと不安だったり、イライラすることもあるのかなと思います。お母さんに怒られることが多いのも辛いですね。
ジャンルを家族にしたのは、どうしてですか?
スマホは簡単に手放せるものではないし、いくらいけないと言われても止めやれるものではないと思います。そのことはあなた自身がよくわかっていることなので、表層だけスマホから離れるのではなく正常な自分を回復するにはという言葉に苦しさを感じました。
スマホの長時間使用による身体への悪影響として、ブルーライトによる目の疲れ、視力の低下、ストレートネック、不眠症などいろいろと言われていますが、自分の心の問題と向き合うことが何より大事だと思います。スマホを手放せない理由を考えてみるのはどうでしょう。
友だちとは直接に話すよりLINE(メール等)の方が楽とか、周りの人にどう思われているか常に気になるとか、どんなことがきっかけで使用時間が長くなったとか、自分なりの理由があると思います。
受け身でスマホに振り回されるのではなく、自分がスマホを活用するようになるにはどうしたらいいでしょう。今はスマホより楽しいことがないと思っているかもしれませんが、実は体験していないだけのような気がします。スマホに触らなければ依存しなくなるというものではないと思います。スマホの利点と良くない点を自分なりに明らかにして、必要性のところで活用するのは大事だと思います。リアルな体験や人との関係は、めんどうだと感じることが多いかもしれませんが、人と直接に関わることで感じられる喜びや達成感もあります。今までスマホに頼っていた生活と人間関係を見直す機会にしてみてはどうでしょうか。
あなたが「正常な自分に回復したい」というのは、朝起きて、学校へ行き、夜は寝るという生活なのか、人間関係を改善したいのか、今まで熱心にしてきたものを再びしたいということなのか、私にはわかりませんが、自分でしようと思うこと、できることをしてみてはどうでしょう。
ひとりでは難しい場合は、医療など第三者に助けてもらうことも一つの方法です。そして、不安な気持ちになったら、こどもほっとダイヤル(0800-200-2555)やチャイルドライン(0120-99-7777)に電話をしてきてください。
岡田尊司「インターネット・ゲーム依存症」文春新書を参考にさせて頂きました。
・子どもの権利条約第24条
子どもは、健康でいられ、必要な医療や保健サービスを受ける権利をもっています。
・子どもの権利条約第31条 休み・遊ぶ権利
子どもの権利委員会・一般的意見17号:休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利(第31条)前編 III.子どもたちの生活における第31条の意義 参照
・子どもの権利条約第36条
子どもの福祉を害する他のすべての形態の搾取から子どもを保護する。