MIEちゃんの手紙を見る

虐待

自分はどうしたら良いですか?

友達が親から虐待をされています。その事を、学校の先生や部活の先輩などに相談しました。しかし、外では子供思いのいい親を演じていて、その事を誰も信じてくれませんでした。

その事を、何回も相談を受けていました。しかし、力になれずにずっと、先延ばしをしていました。でも、その友達を救いたいです。ちょっとでも、力になりたいです。私は、どうして良いか分かりません。教えて欲しいです。

MIEちゃんより

MIEちゃんにメールをくれてありがとう。友だちを救いたい、少しでも力になりたいというあなたの思いが胸に迫ります。あなたは友達の力になれず、先延ばしにしてきたと言いますが、これまであなたが友達の話に耳を傾けてきたこと自体が、誰にでも簡単にできることではなく、すごいことだと感じています。あなたの存在があなたの友だちにとってどんなにか救いになってきたのではないかと思います。

あなたが友達から相談を受けたことが虐待だと感じて、学校の先生や部活の先輩などに相談しているのに、誰もあなたの話を信じてくれないことに、私も悲しくとても残念に思います。

それに、表では良い親に見せかけて、裏で子どもを苦しめていると思うと本当に腹が立ちます。許すことができません。

虐待を受けた子どもは自尊心が深く傷つき、自分の存在すら否定したいくらいの気持ちになります。また、虐待をされていても、自分では虐待だと気付かずにいることもあります。また、そのように思いたくないと、痛みや辛さを感じないようにしてしまう事もあります。

虐待をするのは特別な人ではなく、誰もがする可能性があります。だから外見やあの人に限ってやらないなんていうことはないのです。

虐待は、どのような理由があったとしてもしてはいけないことです。

よく「しつけをしていただけ」と言っているのを聞きますが、虐待は親が子どもをひとりの人間として尊重せず、自分の物として支配している時に起こる暴力です。決して子どものことを思ってではなく、自分の思い通りにさせようとする自己本位の行為です。

私自身も子どもの権利を勉強することで、虐待とは何かを知り、私自身が虐待を受けていたのだと大人になってから気付いたくらいです。子どもの頃は、親の理不尽さや、親のいない寂しさも我慢するしかないと思っていましたし、思わされても来ました。そのこと自体が虐待であり、それをされていい子どもはひとりもいないのです。だから私は、ずっと自分の事が嫌いでした。自分を大切にする事も出来ませんでした。虐待をした親が悪いとはっきり自覚できたことや、私は悪くないよと、自分の心で自分を抱きしめることは、自分自身を大切にできることにもつながりました。また、親を愛していると、今は思えることが良かったと思っています。

あなたの友達はどんな気持ちでいるのでしょう。

そして、どうしたいと思っているのでしょうか。友だち本人が行動をおこしてみることも大切なことです。

三重県には「チャイルドライン0120-99-7777」と「こどもほっとダイヤル0800-200-2555」という子ども専用電話があります。チャイルドラインは名前などを言わなくてもよく、虐待をされて苦しい気持ちなどを聴いてくれる電話です。また、こどもほっとダイヤルは、あなたのお友達が希望するなら、名前や連絡方法を教えてもらい、児童相談所へつなぐことも出来ます。

 

※児童相談所全国共通ダイヤル 189

虐待かもと思った時などに、すぐに児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号です。

「児童相談所全国共通ダイヤル」にかけるとお近くの児童相談所につながります。

通告・相談は、匿名で行うこともでき、通告・相談をした人、その内容に関する秘密は 守られます。

※厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/index.html

※認定NPO法人児童虐待防止協会

http://www.apca.jp/

 

※児童虐待の防止等に関する法律

日本では2000年11月、18歳未満の児童に対する虐待の防止や、児童虐待を発見した場合の保護などについて施行され、通報があった場合は、児童相談所など公的な機関がその子どもと会って安全確認のための対策をとることや、一時保護、その後、子どもや保護者に話を聞いたりする調査をして、子どもが安全に生活できるよう措置することが義務付けられています。また、虐待を見たり聞いたりした人は通報する義務があります。通報するときは、匿名でも可能ですし、名乗ったとしても相談先の施設・事務所以外に知られることはありません。通報しなくても罰則はありません。

※虐待には4つの種類があります。

〈身体的虐待〉殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など

〈性的虐待〉子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など

〈ネグレクト〉家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など

〈心理的虐待〉言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV) など

 

※虐待を受け、親から離した方が良いと判断された子どもはどうなるの?

児童相談所は、子どもに直接話を聴いてくれて、一時保護をするかどうかを判断します。この時、親とは一時別々になりますが、その間、親を呼んで話をします。その後、親と別々に暮らしたい、暮らす方が良いと判断すると里親のもとや養護施設等で暮らすことが出来ます。そこでは虐待から逃れ、安心した生活が送れます。

<子どもの権利条約 第19条 虐待・放任からの保護>

親(保護者)が子どもを育てている間、どんなかたちであれ、子どもが暴力をふるわれたり、不当な扱いなどを受けたりすることがないように、国は子どもを守らなければならない。

<子どもの権利条約 約34条 性的搾取・虐待からの保護>

性的虐待から子どもを保護する。性暴力に合った子どもは、保護され、回復する権利があります。

<子どもの権利条約 第3条 子どもの最善の利益>

子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。

<子どもの権利条約 第12条 意見表明権>

子どもは、自分に関係あることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子どもの発達に応じて、十分考慮されなければなりません。