MIEちゃんの手紙を見る

いじめ

学校でのいじめ

私は、特別支援学級のある中学校に通っています。実は、交流で通常の人と勉強する時があります。今日先生がいつもどおりプリントを配って前から順番に自分のを取って後ろに回すんですけどそのときにわざと落とされ、前の人に言うと無視をされたりします。

また、ときどき無視をされたり私をこかそうとしたりします。もう学校に行く気がないです。今は遅刻や早退や欠席ばっかりしています。 こんな時はどうしたらいいのか教えて下さい。

MIEちゃんより

メールを送ってくれてありがとう。

いままでずっとひとりで我慢してきたんですね。気持ちを伝えてくれてありがとう。無視をされたり、あからさまな意地悪をされて、どんなに嫌な気持になったり、怒りを感じたり、辛くて苦しかったかと思います。

自分は何もしていないのに、嫌なことをされたり、こかされそうになるなんて、すごく腹が立ちます。そして、何で自分だけと思うだろうし、悲しいし、情けなくもなります。自分が悪いのかとも思えてきたりします。その上、言われたり、されたりするのも嫌だけど、無視されるのは、自分の存在が認められないということだから、どんなにか辛いだろうと思います。

でも、このままではいけないと思って、相談しようと思ってくれたあなたの行動力はすごいと思います。

 

特別支援学級は何らかの支援を必要とする子どものためにありますが、そこで学ぶ人が差別されたり、いじめられるものではありません。

人はなぜ人を馬鹿にするのでしょう。馬鹿にされていい人は、断じてこの世にひとりもいません。
人を馬鹿にするということは、そうすることでその人より自分が優位に立つという気持ちに他ならないと私は考えています。ですから、あくまで馬鹿にされる側の問題ではなく、馬鹿にする側の人として貧しい人間性なのです。実は哀れむべき人であり人間として恥ずかしいことなのです。
全ての人が何らかの障がいがあって生まれてきます。もともと完璧な人間などいないのです。

 

それでも馬鹿にされればつらいです。

人はそれぞれに特性があって、みんなその要素を持ち合わせています。その人の特性や障がいを周りの人がお互いに理解し合ったり、支援し合うことで、生きやすくなります。

私は人に迷惑をかけず、人とぶつからずに生きようと思ってきましたが、目に見えないたくさんの迷惑をたくさんの人にかけ、それをたくさんの人が温かく応えてくれていることに、気付きました。そうやって誰もがお互い支え合って生きていると思うのです。

あの人は○○だからと、人を簡単に決めつけないで、いろんな方向から見てほしいと思います。そうすると、意外なことが見えてきたりもします。

 

あなたは学校の誰かに「助けて」と言えますか。もし言うことができたら自分の思いや、どうしたいかを話せるといいと思いました。弱い自分や不安な気持ちがあるのはいけないことではないです。誰かに聴いてもらうことで軽くなると思います。

なかなか話すことができなかったら、こどもほっとダイヤル(0800-200-2555)やチャイルドライン(0120-99-7777)に電話をしてきてください。

 

「子どもの権利条約」 一般原則

・生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。

・子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)

子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。

・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)

子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

・差別の禁止(差別のないこと)

すべての子どもは、子ども自身や親の人種、性別、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

 

・子どもの権利条約 第2条(差別の禁止)

すべての子どもは、みんな平等にこの条約にある権利を持っています。子どもは、国のちがいや、男か女か、どのような言葉を使うか、どんな宗教を信じているか、どんな意見を持っているか、心や体に障がいがあるかないか、お金もちであるかないか、親がどういう人であるか、などによって差別されません。

 

・子どもの権利条約 第23条(障害児の権利)

心や体に障がいがある子どもは、尊厳が守られ、自立し、社会に参加しながら生活できるよう、教育や訓練、保健サービスなどを受ける権利を持っています。

 

・子どもの権利条約 第28条(教育を受ける権利)

子どもには教育を受ける権利があります。学校は人は誰でも人間として、大切にされるという考え方から外れるものであってはなりません。

 

・子どもの権利条約 第39条(犠牲になった子どもを守る)

子どもが放っておかれたり、むごいしうちをうけたら、国はそういう子どもの心や体の傷をなおし、社会にもどれるようにしなければなりません。