子どもたちへMIEちゃんに聞いてみよう
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- 仕事
自由になりたい
僕は小学6年の人間なのですが、最近仕事が多くて疲れています。
委員会や係などは当たり前だと思いますが、自分では無理な仕事を押し付けられたり、残った課題を持ってきたり、いろいろと仕事が多すぎます。
僕を頼りにしてくれるのはうれしいのですが、少し厳しすぎると感じています。でも、もしやめてしまったら僕を頼りにしてくれている人ががっかりするだろうと思って、なかなかやめられません。
僕は、どうしたらよいのですか?
MIEちゃんより
メールありがとう。
あなた自身はこれまで、学校での委員会や係の仕事は当たり前にやることだと思って自分の役割を果たしているのだけれど、周りにはそう思わない人もいて、自分では無理な仕事や残った課題を押しつけられることが、しんどくなってきたと感じているのですね。あなたの「自由になりたい」というタイトルに自分の時間を自由に使えない日常が感じ取れました。
「頼られると引受けてしまう」あなたのように、私もそんな時があります。私は、頼られることは、出来る人と見られていると感じるので嬉しい気持ちになり、努力や実力が認められたと思います。あなたも決して嫌な気はしていないと思いますし、学校での仕事などもよく出来る人なのだろうなと感じています。
人は、一人一人出来ることが違うように持てる荷物の量も違います。ある人から見たらあなたの方が沢山(上手に)荷物を持てるように見えていて、今、あなたが抱えている荷物が見えないとしたら、あなたより少ない荷物の人でも「荷物を持って」と、頼るかもしれません。あなたは、もうすでに抱えきれないほど持っていて、これ以上持つとあなたの大切な荷物を落としてしまうというときは、どうしますか?
どんな人でも、自分の荷物を持てる量には限りがあるようにやれることにも限りがあります。相手ががっかりしても断るのか、何か持っているものを減らしてから持つしかありません。
人から自分の存在を認められるということは、嬉しいことです。助けられて嬉しい、助けて貰って嬉しいと、おたがいさまの関係や、わからないことを助け合って一緒にする喜びや苦しさを分かち合うという共同作業でなら良いのですが、あなたの気持ちの中に“厳しい”と思う気持ちが芽生えているということは、相手の都合が優先しすぎてあなた自身が“苦しくなっている”というサインだと思います。相手の人が、荷物のように見えるものなら気付いてくれることもありますが、あなたの事を知らないので、何かしら表現しないとわからないのです。あなたの気持ちを大切に考えて、自分を守るためにも相手に伝えられたらと思います。
あなたが、無理矢理仕事を押しつけられるのは、あなたがゆっくり休んだり、遊んだり、自分のやりたいことをやったりする権利がうばわれていることになります。あなたに当たり前にあって良い大切な権利です。一方、他人の仕事をあなたが引受けることで助けられてはいますが、その人にとって最後までやりとげる達成感や、たとえ失敗してもそのことが経験になっていく機会を相手から知らずにうばってしまうことにもなります。そう考えると、引き受けない勇気がわいてきませんか。
・子ども権利条約第12条「意見を表す権利」
子どもは、自分に関係のあることについて自由に意見を表す権利をもっています。その意見は、じゅうぶん考慮されなければなりません。
・子ども権利条約13条「表現に自由」
こどもは、自由な方法でいろいろな情報や考えを伝える権利、知る権利をもっています。ただし、他の人に迷惑をかけてはなりません。
・子どもの権利条約31条「休み・遊ぶ権利」
子どもは、休んだり、遊んだり、文化・芸術に活動に参加する権利があります。