子どもたちへMIEちゃんに聞いてみよう
MIEちゃんの手紙を見る
- 性
制服
心は男なので学ランが着たい
中学校行きたくない
MIEちゃんより
心は男なので学ランが着たいというあなたの言葉に、自分自身が心は男だと思うまでには、どんな思いをしてきたのだろうか・・・。そして、自分の身体の性と心の性が違うことを誰かに理解してもらっているのだろうか、いろいろ思いをめぐらせています。
そもそも制服とは何でしょうか?
制服を設けるもっとも重要な目的は、服装の統制をすることで、組織内部の人と外部の人を明確に区別できるようにすることです。また、同じ制服を着ることで、連帯意識を強め、自尊心、忠誠心を高めるためでもあります。つまり、誰のための制服なのでしょうか?
自分が自分であるために、身にまとうものも人格の一部だと思います。本来、着たくないものを強制的に着させることは人権侵害になります。
中学の制服を自由に選べないことで、自分らしく生きられないというあなたの思いが感じられます。着たくない違和感のある制服を着ることは嫌なことで、自分自身の尊厳が傷つくことではないかと思います。中学校に行きたくないと思うのは、当たり前の気持ではないかと思いました。
性にはいろいろあるということは、すこし学んできたので、私は抵抗感がなくなりました。
昨年のチャイルドラインMIEによる「子ども支援者養成講座」の「性と自立」という講座の中で、身体の性、心の性、好きになる相手の性、好きな見た目、どれも人それぞれで、何通りもあり、性の色は虹の色よりカラフル。いろいろな性があることを知って、それぞれの性をみんなが大切にできるようになるといいと学びました。
あなたのメールがきっかけで、学校の事も調べてみました。
「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対策等の実施について」という文部科学省の教職員向けのものをインターネットで見つけました。そこには、平成27年、4月30日に「性同一性障害に係る児童生徒にきめ細やかな対応の実施等について」通知され、その背景が記載されていました。また、服装、髪型、更衣室、トイレ、呼称の工夫、授業、水泳、運動部の活動、修学旅行などへの性同一性障害に係る児童生徒への支援について教職員のやるべきことが書かれていました。
でも、文科省が理解を呼び掛けるようなものを作っていても、身近な学校がそうであるとは限りません。学校に関しては、校長先生の裁量によって大きく違っている事があります。あなたを理解してもらうためにも、親といっしょに学校と話し合うことも大切だと思います。
あなたのその一歩が、これから続く同じ思いをする後輩たちの礎となるかもしれません。この社会は、私たちが創るものです。仲間も必ずいます。一緒に社会を変える活動をすることで、自分自身をつくり直している人たちがいるのです。
でも、話したくても話せないとき、チャイルドライン(0120-99-7777)は、気持ちを聴いてくれるところです。すぐに解決できないことも、誰かに聴いてもらうことで軽くなり、自分の気持ちに気付いたり、自分の考えが整理できたりします。そして、こどもほっとダイヤル(0800-200-2555)は、話を聞いて貰いながら、掛ける人の気持ちや意思を尊重して、教育委員会や児童相談所などの関係機関につなぐことができます。電話で話しにくい時は、週1回(土曜日19:00~21:00)ですが、チャット(オンライン相談)もできます。
【参考】
一般社団法人ELLY https://ellyjapan.com/ 自身のセクシュアリティを理由に悩まず、社会の偏見なく、自分らしくいきいきと過ごせるまちづくりを目指している。(三重県伊勢市)
性の多様性LGBT法連合会 http://lgbtetc.jp/
ストップいじめ!ナビ 性的マイノリティといじめ http://stopijime.jp/term_lgbt
ハートをつなごう学校 http://heartschool.jp/
・子どもの権利条約第2条「差別の禁止」
すべての子どもは、みんな平等にこの条約にある権利をもっています。子どもは、国のちがいや、男か女か、どのようなことばを使うか、どんな宗教を信じているか、どんな意見をもっているか、心やからだに障害があるかないか、お金持ちであるかないか、などによって差別されません。
・子どもの権利条約第3条「子どもにもっともよいことを」
子どもに関係あることをするときは、子どもにとって一番いいようにと考えます。また国は親やそれに代わる人が、子どもを守って育てるために一番いいようにと考えます。
・子どもの権利条約第6条「生きる権利・育つ権利」
すべての子どもたちは、生きる権利をもっています。国はその権利を守るために、できるかぎりのことをしなければなりません。
・子どもの権利条約第12条「意見を表す権利」
子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。
その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。
・子どもの権利条約第13条「表現の自由」
子どもは、自由な方法で色々な情報や考えを伝える権利を持っています。ただし、ほかの人に迷惑をかけてはなりません。
・子どもの権利条約第16条「プライバシー・名誉は守られる」
子どもは、自分のこと、家族のくらし、住んでいるところ、電話や手紙など、人に知られたくないときは、それを守ることができます。また、他人からほこりを傷つけられない権利があります。
・子どもの権利条約17条「適切な情報の入手」
子どもは、自分の成長に役立つ多くの情報を入に入れることができます。国は、マスメディア(本、新聞、テレビなど)が、子どものためになる情報を多く提供するようにすすめ、子どもに良くない情報から子どもを守らなければなりません。
・子どもの権利条約第28条「教育を受ける権利」
子どもは教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにそのチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。
・子どもの権利条約29条「教育の目的」
教育は、子どもが自分のもっているよいところをどんどんのばしていくためのものです。教育によって、子どもが自分や他の人もみんな同じように大切にされるということや、みんなとなかよくすること、みんなの生きている地球の自然の大切さなどを学べるようにしなければなりません。
・子どもの権利条約 第31条「休み、遊ぶ権利」
子どもは、休んだり、遊んだり、文化・芸術活動に参加する権利があります。