チャイルドヘルプラインMIE
ネットワーク（認定NPO法人）

MIEちゃんより

あなたからのメールを読んで私は胸がえぐられるようでした。心がざわついて、あなたのお父さんに対して強い怒りを持ちました。そしてあなたがメールをしようと思いこうして行動してくれたことにどれほどの勇気が必要だったのか文面から伝わってきました。
「これは性虐待に入ってしまいますか？」と質問をしてくれていますね。はい、これは許せない性虐待です。
今あなたは夜が来るのが恐怖なのだと思います。安心して眠れない毎日だと思います。学校生活や家族との時間も安心して過ごせていないのではと想像しています。無気力になって何をするにも手がつかなくなっているのかもしれません。あなたの生活そのものが脅かされているように思います。
私はあなたのメールで性虐待について改めて深く考えると共に自分を守るために伝えたいことがあります。
今、あなたにとってとても大切な事、それは、嫌！という気持ちに自信を持って欲しいと思っています。そして今の状況から逃れることを考え行動してほしいと思います。あなたは決して悪くありません。あなたの身体はあなたのものです。誰であろうとあなたの同意なしに近づいたり触れることは絶対許されません。水着で隠されている部分と口をプライベートゾーンと言います。プライベートゾーンはたとえ親であっても兄弟であっても自分以外の人に断りなく触れてはいけない大切な部分です。無断で侵入されると身体が傷つくだけでなく心も深く傷ついてしまう繊細な部分です。
あなたは誰かに言うと家族が壊れるんじゃないかと不安になっているかもしれません。嫌というとお父さんがどんな態度をとるのだろうかと怖くなっているかもしれません。不安や恐怖を感じてしまうのは当然です。
お父さんは誰にも内緒と言っています。公になることを隠しています。お父さんはあなたを支配しています。この状態が続くとエスカレートすることも心配しています。
お父さんとの関係を壊したくないと伝えてくれてますが、私は今の関係こそが違和感であなたの言う関係は成立していないと思います。あなたの尊厳を勝手に犯しているお父さんとこれからどのような関係を保つことが出来るのだろうかと考えましたが、あなたの受けた被害はお父さんと一緒だと今後も不信と恐怖はぬぐえないと思います。そこから抜け出すには関係の修復よりも離れること、断ち切ることが必要だと思います。
あなたは自己嫌悪になってしまうと伝えてくれていますね。否定出来ない自分が嫌なのですね。あなたはどこかで変わりたいと望んでいるように感じます。否定できない自分から自分らしく自分を表現したいと望んでいるように伝わってきます。そこの葛藤に苦しんでいるのではありませんか？自分の気持ちに間違いはありません。抱く気持ちは自由で誰にも否定されることではないのです。我慢も必要ありません。
あなたは性虐待から守られる権利を持っています。そして嫌だと発信する権利も持っています。あなたが行動することで誰かに迷惑がかかっても構いません。これはあなた一人で解決できることではありません。自分を守ることを優先してください。決断するのはあなたですが、あなたの　嫌！という正直な気持ちのまま行動してほしいです。決断できなくても信頼できる大人に相談してください。
ほっとダイヤルではこの問題をどうしたらいいかを一緒に考えてくれます。保健室の先生でもいいです。
児童相談所は保護もしてくれます。あなたの意志を尊重しながらこれからの事を考えてくれます。
自分を守るために勇気を出して伝えてください。

 

【子どもの権利条約】
＊子どもの権利条約第19条（虐待・放任からの保護）
親（保護者）が子どもを育てている間、どんなかたちであれ、子どもが暴力を振る　われたり、むごい扱いなど受けたりすることがないように、国はこどもを守らなければなりません。
＊子どもの権利条約第34条（性的搾取からの保護）
子どもがポルノや売買春等に利用されたり、性的な暴力を受けたりすることのないように守らなければなりません。